甘さひかえめ:歌頭 諒 〜勤労サクソフォニスト〜

サクソフォニスト歌頭 諒のブログ

死と乙女

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聴いてきました。

 

お目当てはシューベルト/弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810『死と乙女』。ちなみに明後日の月曜日(10/10)にはベルチャ弦楽四重奏団が演奏します…行きたかった(気付いたときには完売)…

 

まずこの曲をいつ知ったのか。この曲は高校2年のときに、クラリネット八重奏が取り上げていたので知りました。

 

 

 

 

 

【ズーン、ズズズズン】

 

 

 

 

 

【ズーン、ズズズズン】

 

 

 

 

 

 

重苦しい始まり方に衝撃的を受けました。「なるほど…これが死…?」と歌頭少年は頭を抱えます。

 

 

〜死が近づいている乙女に、死神が死へと導く〜みたいな詩にシューベルトが音楽を付けました。それが『死と乙女』作品7-3 D531 という歌曲です。その曲のモチーフが弦楽四重奏曲第14番の2楽章に使用されているため『死と乙女』という名で広く知られています。

 

全楽章通して緊張感が張り詰めている理由は【死】という誰にでも訪れる身近な存在のためだったんですね。たまに明るく奏でられる旋律は乙女の儚い想いなのか、それとも死神が死へと誘う優しい言葉なのか、、、

3楽章は舞曲風で病のため踊れない乙女の願望だったのか…?フワフワと浮かぶ下3声のメロディに対して、しつこくまとわりつくVn,1stの3連符は乙女の涙か、それとも死神が今か今かと待ち望んでいるのを表しているのか…?

4楽章Presto…なにがPrestoなんスかね。なにがすごい速いんスかね。もう私はこれ以上妄…いや、想像したくないです。音楽は自由なので、妄…想像も自由です。

 

 

 

さて、御託はこれくらいにしておいて、、、

 

パガニーニ・クァルテット(ストラディヴァリウス4本)を聴きに行くわけでも、ゴルトムント・クァルテットの演奏を聴きに行くわけでもなく、『死と乙女』に吸い寄せられるようにしてチケットを申し込みました。なんかごめんなさい。

 

でも聴きに行くからにはもちろん前半のハイドン「ひばり」もショスタコの弦カル8番も楽しもう!と、スコアを読みつつ聴いて予習はバッチリ!また、死と乙女はスコア予習では飽き足らず、睡眠学習、更にはチェロパートをバリトンサックスで練習する熱心さを見せつけました(だれに)。

 

ということで、地域創造の研修会後にひと駅お隣の六本木一丁目駅へ。デカいビルを出てまたデカいビルへ潜入。改札をくぐり抜けた瞬間からここは自分がいるべき場所ではない感が満載(いつも思う)でしたが、とりあえず潜入。まずはビルの中を満喫(迷子)します。ようやくそれらしきところへ出ました。なんだか通路が盛り上がっている?!音楽横丁…?なるほど。半券持っていればなんかくれる系だろう、と思いました。当たりです。また期間限定でちょい飲みセット的なのが¥1,000で提供されているそうです(その日が最終日)。なるほど、これは一杯引っかけてほろ酔い(泥酔)状態で演奏を堪能(睡眠)させる魂胆(寝てしまったから違う公演も行こう!)が丸見えです。ですが私にはそんな魔法は効きません。なぜかって?なぜならお酒一滴も飲めないからです。

 

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※これはラーメンです。

 

半券を見せたので大盛or味玉がサービスでした。

 

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まだまだ時間があったため(2時間弱)先日(いつかわからない)いただいたスタバのギフトカードを大切に持っていたので、大好きな抹茶フラペチーノをいただきました😘💕カスタムでめちゃ濃い抹茶にしてもらったのですが、伝達ミスで抹茶パウダー多めになっていませんでした。甘さないのない抹茶フラペチーノをぼーっとしながらいただく。人生なにも考えない時間も大切だと考えていました。進次郎?

 

 

待ちに待った開場18:20の時間。満員御礼と知っていたので開場前の人だかりにビビります。マジか〜指定席だけどめっちゃおるやん〜と並んでみます。ブルーローズではなく大ホールの催し物の方が並んでいただけでした。ホールに入るとパラパラとしか座らず…さすが指定席。

座席に到着、iPadでスコアの最終確認。自分が演奏するようなワクワク感で19:00を待ちます。

 

 

 

 

 

 

 

残念なことに言い訳をさせてください。2日間の研修会で体力を消耗してしまった私はショスタコの途中(結構序盤)で意気消沈。

超有名?超印象に残る?超カッコいいところ(2楽章)は聴き逃しませんでしたが、それ以外は遠い記憶の彼方へ飛んでゆきました。南無三… 

 

 

ということで、ひばりはちゃんと最初から最後まで楽しく鑑賞。ニコニコ楽しく弾いて、メンバーと目を合わせる姿にキュン🫰としてしまいました。

 

 

 

お外の空気を吸い、お手洗いに行き、さぁお目当てのシューベルト

 

お隣で座られていた女性も興奮気味で、たぶんチェロをやっている方だと思いますが演奏者と一緒に左手が動いていました。もちろん私も一音たりとも聴き逃しませんでした。ていうか弓の毛が切れるのカッコ良すぎない?超弾き込んで何本も切れているのに楽章終わるまで切らずに弾き切るのカッコ良すぎない?サックスもリード割れたとしてもそのまま吹き続けて新しいリードにしたらカッコいい?んなわけねえよな?ないと思います。なんか弦楽器って洗練されていて高貴ってイメージがこびりついているけど、どちらかというと野蛮(良い意味で)な印象を受けました。ズルいんだよな。どっちの面も見せられるように私も精進します。

 

色んな団体の演奏を前もって聴いていきましたが、4楽章はどこよりも速くてエキサイティングでした…圧巻の演奏。

 

研修会で「アーティストの生き様を見せる」という言葉がありました。ゴルトムント・クァルテットの演奏は、椅子の軋みや服が擦れる音、プログラムを畳む音、咳払いも全て音楽になっていたように私は感じました。演奏会に行くとこれらの現象を気にしてイライラするのですが、今回は全く気にならなかったのです。これはアーティストが生き様を見せてきたからなのでは?!と勝手に感銘を受けお腹が痛くなってきました。

 

アンコールを2曲演奏。とても素晴らしかったのですが私はお腹が痛くそれどころではありません。早く終わらないかな、という気持ちしか湧いて来ず、今思うとそう思ってしまった自分に苛立ちます。でもお腹痛くてせっかく日本まで演奏しにきてくれたのに○○○で○○○になって○○○になったら最悪なツアーの幕開けになってしまう!と思いお尻に力を入れるのでした。

 

 

 

 

おわり。